国立大学図書館におけるNACSIS-ILLシステム利用指針

国立大学図書館協議会第44回総会採択(1997.05.29)

(趣旨)
1.この指針は,NACSIS-ILLシステム(以下「システム」という。)がこのシステムに参加している国立大学図書館(以下「参加組織」という。)間において円滑に運用され,かつILLサービスが一層促進されることを目的とする。
(システム利用に当たっての基本原則)
2.参加組織は,資源共有の理念に基づき,所蔵資料の提供について最大限の努力を行なうものとする。また,相互協力の精神に則って,誠意を持って迅速に対応する。
(システム利用の推進)
3.依頼・受付処理はシステムによることを原則とし,システムによらない処理との併存状態の解消に努める。
(所蔵情報の公開)
4.参加組織は,提供できるすべての資料の所蔵情報を学術情報センター総合目録データベース(以下「総合目録データベース」という。)に登録し,他の参加組織から検索できるように努める。特に総合目録データベースに未登録である目録データの遡及入力に努める。
(所蔵情報の更新)
5.所蔵情報の更新(所在の変更,新規受入,受入中止等)は速やかに行う。
(学内体制の整備)
6.参加組織は,ILLサービスの円滑化を図るため,資料の集中化または受付窓口の増加等,資料の管理・提供体制の整備に努める。ファクシミリによる文献の伝送等緊急の依頼に応じられるよう体制の整備に努める。
(著作権)
7.ILLサービスを行うに当たっては,著作権法を遵守する。
(過失・事故対応)
8.システムの運用において生じた事故は,原則として次のとおり処理する。
(1)受付館の過失によって生じた事故は,受付館の責任において処理する。(注1)
(2)依頼館の過失によって生じた事故は,依頼館の責任において処理する。(注2)
(3)その他の原因による事故は,依頼館と受付館において協議しその処理に当たる。
(依頼処理に当たっての留意事項)
9.依頼処理に当たっては次の各号に留意する。
(1)レンディング・ポリシーの確認 依頼時には「LOOKUP LIBRARY」コマンドを活用し利用条件を確認する。
(2)依頼対象資料 依頼する資料は,原則として,自機関が所蔵しないものとする。
(3)書誌・所蔵事項の確認 総合目録データベース等で書誌・所蔵事項を精査したうえで,依頼レコードを作成する。不明確な場合は,あらかじめ書誌・所蔵調査依頼を行い回答を得てから依頼する。その際,受付館での二重の調査を避けるため,所蔵調査済み等の一般的なコメントだけでなく,請求記号等の具体的な回答内容を所定の欄に記入する。
(4)正確な書誌記述 書誌記述は,文献の同定を容易にするため,次の各号に留意して行う。
「BIB:」については,依頼時に書誌・所蔵データを作成する場合であっても目録規則等に 準拠して,省略せずに正確に記述する。
「VLNO:」については,号が判明する場合は号まで記入する。
「PAGE:」については,該当ぺ一ジ(ぺ一ジの初めと終り)を記入する。
著者・論題,その他文献を同定するために必要な事項をもれなく記入する。
必要事項が不明の場合は「?」を使用する。
(5)所蔵事項の典拠 依頼時に書誌・所蔵データを作成する場合であっても,所蔵典拠は必ず入力する。配置場所,請求記号についても確認できたものは入力するよう努める。不明の場合は「?」を使用する。
(6)依頼先の分散 依頼先の選定に当たっては,特定の館に集中しないように分散して依頼するよう努める。また同一館に対する依頼は原則として同日内に10件を超えないものとする。
(7)依頼レコードの作成単位 雑誌論文の複写の場合は1論文につき1レコード,現物貸借の場合には1冊につき1レコードとして作成する。
(8)迅速な処理 資料到着後の処理を迅速に行う。特に,次の処理は原則として当日または翌日までに行う。
「OK」コマンド,「BORROW」コマンドの発行
「SENDBACK」コマンドの発行
(9)照会への回答 「INQUIRE」に対しては,放置せずに迅速に対応する。回答を求めている「INQUIRE」に対しては「CANCEL」せず「ANSWER」で回答する。
(10)所蔵館が1館のみの場合 総合目録データべース等で精査したうえで,所蔵館が1館のみの場合は,謝絶・転送の判断基準となるようにコメント欄に「貴館のみ」と注記する。
(11)返送明細票の添付 現物を返送する際には,返送レコードが確認できるように,必ず明細票を同封する。
(受付処理に当たっての留意事項)
10.受付処理に当たっては次の各号に留意し実施する。
(1)レンディング・ポリシーの公開 参加組織はレンディング・ポリシーをシステム上の「参加組織」によって公開するものとし,変更があったときは直ちに「参加組織メンテナンス」で更新する。
(2)レンディング・ポリシーのメンテナンス レンディング・ポリシーのメンテナンスを行う場合,特に次の各号に留意する。
サービス・ステータスを「N」とする場合は理由と期間を明記する。
「COPYS=C」,「LOANS=C」の場合は,「AMLIDC」,「AMLIDB」に受付館の「FA番号」を 必ず入力する。
(3)迅速な処理 依頼されたレコードを「未処理」状態で放置しておかないように,原則として1日1回以上受付処理を行うよう努める。また,資料の確保,料金の計算,発送等も迅速に行うよう努める。
(4)自動転送機能の活用 研究室との連絡不能等の理由で,受付後1週間以内に資料の発送が困難と予想される場合は,受付館の判断により直ちに次館に転送する。
(5)発送通知処理 資料発送後の通知処理(「SEND」コマンドの発行)は,当日ないし翌日までに行うよう努める。
(6)謝絶の理由 謝絶する場合は必ず理由を明記する。その場合,原則として定型的な用語を使用する。(注3)
(7)書誌事項等不備の場合の処理 書誌事項等不備の場合の処理は「PARDON」で次館に転送せず,必ず「INQUIRE」で依頼館に照会する。
(8)発送明細票の添付 資料を発送する際には,依頼レコードが確認できるように,必ず明細票を同封する。
注1
(例:受付確認の処理を誤って複写物を重複発送した場合,受付館は重複分の料金徴収を行わない)
注2
(例:依頼確認の処理を誤って重複依頼した場合は依頼館が重複分の料金を負担する)
注3(例:

  1. 所蔵データの不備(理由:データ更新の遅滞等)
  2. 貸出中(返却予定日)
  3. 製本中(提供可能日)
  4. 欠号,未着(到着予想日)
  5. 複写不能(理由:    )
  6. 貸出不能(理由:    )
  7. 資料帯出者の長期出張中(提供可能日)
  8. その他(理由:    )

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最終更新日
2008-03-17