ISSN 2189-7506
1. これからの学術情報システム構築検討委員会の活動について
(NACSIS-CAT)2. 2022年度 新NACSIS-CAT/ILLの変更点(2023年11月末時点)
3. 重複統合による所蔵付替報告の通知方法の変更について
4. 書誌データに含まれる全角チルダと波ダッシュについて
5. 目録システム利用マニュアル第8版の公開
6. 出版国コード表の修正
7. NIIでの目録品質管理(21)
(NACSIS-LL)8. ILL文献複写等料金相殺サービスの相殺結果通知書の支払通知・繰越通知のインボイス対応について
9. ILL文献複写等料金相殺サービス処理報告(2023年度第2四半期)
(CiNii)10. CiNii Dissertations及びCiNii BooksのCiNii Researchへの統合について
11. CiNii及びNII-REOのお問い合わせ電話番号の廃止について
(教育研修事業)12. 目録システム書誌作成研修について
1. これからの学術情報システム構築検討委員会の活動について
これからの学術情報システム構築検討委員会は、「これからの学術情報システムの在り方について(2019)」(2019年2月15日(金)付公開、以下「在り方(2019)」という。)で挙げた課題について、以下の通り取り組みました。詳細は、各項目のURLをご参照ください。
1. 電子ブックメタデータ(国内)プロトタイプの公開について
「電子ブックメタデータ(国内)」は、国内で学術機関向けに電子ブックの提供を行っている出版社・プラットフォームベンダーから、電子ブックのメタデータ(書誌レコード)を収集し、統合的に「発見」できるようにした、ディスカバリーサービスで、2023年10月30日にプロトタイプを公開しました。プロトタイプでは、一律のデータ更新は行っておりませんが、半年ほど、プロトタイプ版として運用を続け、フィードバックを収集後、正式版へ移行する予定です。
URL:https://contents.nii.ac.jp/korekara/libsysnw/e-resources/ebooks
2. ユーザーグループSNSイベントの開催
システムワークフロー検討作業部会とユーザーグループ運営作業部会が連携して、2023年10月30日に下記のテーマに関する参加型オンラインイベントを、Discordで開催し、多くの方々に参加していただきました。今後もユーザーグループSNSでのイベントの開催を検討いたします。
(1) NACSIS-CATへのNCR2018適用(メタデータ流通の高度化)
(2) DX化時代の図書館システムガイドライン
(3) 統合的発見環境の整備 -ILLを中心に-
(4) 国内電子ブック&デジタルアーカイブのメタデータ流通促進
URL:https://contents.nii.ac.jp/korekara/archive/event/libraryfair2023
また、「在り方(2019)」にある「進むべき方向性」は2022年度を目処としたものでしたが、2023年度は、これ以降の委員会の方針を示す「これからの学術情報システムの在り方について(2023)」を作成する予定です。
当委員会の資料および議事要旨は、以下URLで公開しています。
URL:https://contents.nii.ac.jp/korekara
(これからの学術情報システム構築検討委員会 事務局)
2. 2022年度 新NACSIS-CAT/ILLの変更点(2023年11月末時点)
「共同利用システム」の「新NACSIS-CAT/ILL」は、2023年1月31日(火)に運用を開始しました。2023年11月末時点の「新NACSIS-CAT/ILL」での変更点を公開しました。
「2022年度リプレイスに伴う「新NACSIS-CAT/ILL」の変更点(2023年11月末時点)」
URL:https://contents.nii.ac.jp/korekara/libsysnw/catill/client_guidelines
(NACSIS-CAT/ILL担当)
3. 重複統合による所蔵付替報告の通知方法の変更について
図書書誌、雑誌書誌について、重複書誌を統合した場合、従来は所蔵付替報告を、3か月ごとにレコード調整で連絡しておりましたが、今後は週1回程度の頻度で、参加組織情報のEMAILフィールドのBOOKコード(BOOKがなければコードなし)のメールアドレス宛に連絡いたします。変更時期等の詳細が決まりましたら、NACSIS-CAT/ILLサイトのニュース等でお知らせいたします。
なお、これに伴い、レコード調整の連絡も6か月ごとに変更する予定です。レコード調整の再開時期が決まりましたら、こちらもNACSIS-CAT/ILLサイトのニュース等でお知らせいたします。
(NACSIS-CAT/ILL担当)
4. 書誌データに含まれる全角チルダと波ダッシュについて
書誌データに、波ダッシュ(U+301C)「〜」として、全角チルダ(U+FF5E)「~」が入力されている事例が多数あります。これらは非常によく似た形の記号ですが、全くの別の記号です。
Windows PCで、「から」で変換すると全角チルダに変換されますので、波ダッシュを入力する場合は、「にょろ」や「なみだっしゅ」から変換し、波ダッシュを入力ください。
なお、JPMARCの一部のデータに、全角チルダが入力されている書誌データがありますので、JPMARCから流用入力する場合は、必要に応じて、波ダッシュに修正してください。
(NACSIS-CAT/ILL担当)
5. 目録システム利用マニュアル第8版の公開
2023年12月、目録システム利用マニュアル第8版を公開しました。
今回の改訂においては、NACSIS-CAT/ILLリプレイス(2023年1月31日)に伴う変更内容を反映しています。また、URLが変更となりますので、ブラウザにお気に入り登録等をされている場合は、変更をお願いいたします。
URL:https://catill.bitbucket.io/CAT/mokuji.html
(NACSIS-CAT/ILL担当)
6. 出版国コード表の修正
2023年9月に、以下の通り、出版国コード表の修正をしました。追加・廃止はありませんので、書誌データ自体への影響はありません。
修正後の「コーディングマニュアル 付録1.2 出版国コード表」は以下をご覧ください。
URL:https://catill.bitbucket.io/CM/furoku1_2.html
コード (変更なし) |
【旧】国名・地域名 | 【新】国名・地域名 |
---|---|---|
gs | Georgia (Republic) (グルジア共和国) | Georgia (Republic) (ジョージア) |
sq | Swaziland (スワジランド) | Eswatini (エスワティニ) |
xn | Macedonia (マケドニア) | North Macedonia (北マケドニア) |
(NACSIS-CAT/ILL担当)
7. NIIでの目録品質管理(21)
目録品質管理の実際を紹介する第21回は、新NACSIS-CATのRELATIONデータセットについてです。
「2022年度リプレイスに伴う「新NACSIS-CAT/ILL」の変更点」でお知らせの通り、新NACSIS-CATでは2023年3月からRELATIONの提供様式が変更され、登録された書誌データに対し、より高頻度でのクラスター化作業を行っています。
主な変更点は、以下の通りです。
●RELATION判定対象がBOOK全体に
新NACSIS-CATでは、書誌データの作成時期に関わらずBOOKデータセット全体を対象としてRELATION判定を行っています。そのため、CAT2020以前に作成された書誌データ同士がRELATION登録されていることがあります。
●毎日新しくなっています
従来からシステムによるRELATION判定及び登録作業は日次で行われていますが、旧システムでは既存のRELATIONデータベースに新規判定分を追加していく方法だったのに対し、新システムでは毎回BOOK全件に対するRELATION判定及び登録を行う方法に変わっています。つまり、RELATIONデータセットは、毎日書きかわっています。新システムにおいてRELATIONデータのFIDが一意とならないのはこのためです。
●システム判定・登録のみになりました
旧システムでは、システムによる日次作業に加え、参加館様からの御報告に基づいた手動のメンテナンス作業(RELATIONデータセットの登録・解除)を四半期に1度行っていました。RELATION判定されなかった並立書誌(例えばISBNの無い書誌データ等)の追加登録や、逆に誤判定でRELATION登録されてしまった別書誌の登録解除は、この手動メンテナンスで行っていました。
一方、新NACSIS-CATでは、手動メンテナンスに該当する作業は行わず、システムによる日次作業のみになりました。
ただ、前述の通り、RELATIONデータセットは毎日新たに作り直されているため、書誌データの記述内容を修正することでRELATION登録状況を変更(登録あるいは解除)できる可能性があります。現在、NACSIS-CAT/ILLホームページでの「※RELATION書誌の報告受付」は行っていません1が、どうしても気になられるケースについては「NACSIS-CAT/ILL 質問受付」よりご相談ください。
1 NACSIS-CAT/ILLホームページでの「※RELATION書誌の報告受付」は2022年12月19日をもって終了しました。
(NACSIS-CAT/ILL担当)
8. ILL文献複写等料金相殺サービスの相殺結果通知書の支払通知・繰越通知のインボイス対応について
2023年10月1日から施行されたインボイス制度に対応するため、2023年10月2日付で送付した2023年度第2四半期の料金相殺結果通知書の請求通知からインボイス制度に対応した様式に変更しました。
この度、料金相殺結果通知書の支払通知・繰越通知のうち、債務分(依頼金額、手数料、運営費)についてインボイス対応制度に対応した様式に変更しました。
改正版の国立情報学研究所ILL文献複写等料金相殺サービス利用細則は以下のURLをご参照ください。
URL:https://contents.nii.ac.jp/sites/default/files/catill/2022-03/ill-sousai-rules-saisoku.pdf
2024年1月4日付で送付する2023年度第3四半期の料金相殺結果通知書から、インボイス制度に対応した様式に変更されます。
なお、今回の料金相殺結果通知書の支払通知のインボイス対応は、国税庁の「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」の問88などで説明されている、支払先の登録番号を記載する支払通知書とは異なるものですので、ご留意ください。
(NACSIS-CAT/ILL担当)
9. ILL文献複写等料金相殺サービス処理報告(2023年度第2四半期)
ILL文献複写等料金相殺サービスの処理状況は、以下のとおりです。
●2023年度第2四半期(2023年7月~9月)
- 利用機関数:988
- 処理対象ILLデータ件数:90,038(NACSIS-ILL総データ件数:98,183)
対債務機関 | 対債権機関 | ||
---|---|---|---|
機関数 | 559 | 429* | |
NIIの請求額/支払額 | 12,130,985 | ▲ 12,047,154* | |
内訳 | 相殺金額 | 12,104,009 | ▲ 12,104,009 |
運営費(税込) | 29,700 | 0 | |
前期債権繰越額 | ▲ 2,724 | ▲ 10,469 | |
振込手数料 | 0 | 67,324 |
* 対債権機関の機関数、NIIの支払額には次期繰越分(33機関、14,076円)が含まれています。
(NACSIS-CAT/ILL担当)
10. CiNii Dissertations及びCiNii BooksのCiNii Researchへの統合について
●CiNii Dissertations / Cinii BooksのCiNii Researchへの機能統合及び統合時期について
学術統合検索基盤CiNii Researchを高度化しつつ、運用を効率化するため、下記の日程で博士論文検索サービスCiNii Dissertations及び書誌情報検索サービスCiNii Booksの機能を、CiNii Researchへ統合いたします。
CiNii Dissertations 統合:令和6(2024)年12月 上旬
CiNii Books 統合:令和7(2025)年度 後半
なお、CiNii Dissertations及びCiNii Booksのデータについては、既にCiNii Researchへ統合され、検索可能な状態となっております。
●並行稼働期間について
CiNii Dissertations及びCiNii Booksは上記CiNii Researchでの機能統合開始から一定期間CiNii Researchと並行してサービスを継続する予定です。
並行稼働期間については、CiNii Dissertationsは統合後半年間、CiNii Booksは統合後1年間を予定しております。
●統合後のCiNii Dissertations / Cinii Booksへのアクセスについて
並行稼働期間の終了後、CiNii Dissertations及びCiNii BooksはCiNii Researchへの統合を完了とし、その後のCiNii Dissertations及びCiNii Booksに対するアクセスは、CiNii Researchの対応するページもしくはトップページにリダイレクトされます。
●検索機能の変更について
統合後のCiNii Researchの検索機能は画面設計の変更等により、現在CiNii Dissertations及びCiNii Booksで提供している検索機能から変更が生じる可能性がございます。
統合による機能等の変更点、統合スケジュール等の詳細については順次以下のページでお知らせいたします。
≫ CiNii DissertationsのCiNii Researchへの統合について
https://support.nii.ac.jp/ja/cir/cid_integration
≫ Cinii BooksのCiNii Researchへの統合について
https://support.nii.ac.jp/ja/cir/cib_integration
(CiNii担当)
11. CiNii及びNII-REOのお問い合わせ電話番号の廃止について
業務運営の効率化を図るため、2024年3月29日(金)をもちまして、CiNii及びNII-REOのお問い合わせ電話番号を廃止いたします。
今後のお問い合わせは、以下のWebページにありますお問い合わせフォーム、または各担当のメールアドレスにご連絡いただきますようお願い申し上げます。
CiNii全般 - お問い合わせ https://support.nii.ac.jp/ja/cinii/contact
NII-REO - 各種問い合わせ https://support.nii.ac.jp/ja/reo/contact
なお、国立情報学研究所が提供しております他のサービスについて、電話対応を継続する窓口もございますが、担当が異なりますため、CiNii及びNII-REOについてのお問い合わせの電話をしないようにしてください。
ご不便をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
(CiNii担当)
12. 目録システム書誌作成研修について
目録システム書誌作成研修は、目録業務担当者が多様な書誌事例について理解を深め、総合目録データベースの円滑な運用に必要な知識・技能を身につけることを目的として、2015年度より開催しています。
研修の構成は本研修(1.5日間)・フォローアップ研修(0.5日間)となっており、2023年度は本研修を2019年度以来の集合研修で、フォローアップ研修をオンライン形式で実施しました。フォローアップ研修では本研修で用いた課題の一部(NCR2018、古典籍資料)をさらに発展させ、本研修同様にワークショップ形式で議論を行うことにより、一層の知識の定着を図ることを目指しました。
ホットトピックスである「日本目録規則2018年版への対応について」を経験豊富な講師に講義していただきました。研修課題は、NCR2018・視聴覚資料・雑誌・古典籍資料等、書誌作成研修企画ワーキング・グループが作成した実践的かつ多様な内容としました。研修では、受講者各自が作成した解答案を持ち寄り、グループでディスカッションを行い、グループごとの解答を発表するという流れで進みました。
受講者からは、他機関の目録担当者との意見交換は集合研修の方が実施しやすい、通常業務ではあまり触れることのない課題に取り組めた、フォローアップ研修の課題は本研修を踏まえていたため理解が深まった、受講前より少し自信をもって書誌作成を行えるようになったとの意見等がありました。
カリキュラム・講義資料等詳細は、教育研修事業ウェブサイトで公開しています。なお、研修課題・解説は、一部について今後の研修でも使用する予定ですので、公開しておりません。
URL:https://contents.nii.ac.jp/hrd/cat_biblio
目録システム書誌作成研修企画ワーキング・グループ
阪口 幸治(主査、国立情報学研究所)、布野 真秀(東京外国語大学)、和田 孝子(大阪大学)、
松前 隆志(福岡教育大学)、羽賀 真記子(九州大学)、中村 健(大阪公立大学)、矢崎 美香(九州女子大学)
グループ演習課題作成協力:長谷川 実帆(広島市立大学)
(教育研修事業担当)