FAQ

「共同利用システム」について

2022年度に予定されている「共同利用システム」(「新NACSIS-CAT/ILL」および「電子リソースデータ共有サービス」)運用開始の際、ローカル図書館システムの変更は必要ありますか。

新NACSIS-CAT/ILL (*)」(2023年冬に運用開始予定)は、現在の図書館システムの変更を伴わないよう準備を進めておりますので、基本的に各図書館のシステムを変更する必要はありません。ただし、30年以上続いたNII独自のシステムから、各国で利用される商用プラットフォームに移行しますので、書誌番号のプレフィックス(AA、BNなど書誌IDの先頭のアルファベット二文字)等の変更が発生する可能性があります。こうした点は、適宜参加機関や接続する図書館システムベンダーにお知らせし、ご対応いただけるように進めていきます。

電子リソースデータ共有サービス (*)」のうち「電子リソース契約データ共有サービス (*)」(2022年春から順次運用開始予定)は、ライセンス(出版社からの許諾が得られたもの)やタイトルリスト(JUSTICE独自のもの)のデータを一括整備し、各参加機関が現在利用するシステムで活用いただくことを想定しています。共有するデータの内容や形式は随時、情報を整えて公開いたしますので、各図書館での活用について、ご検討ください。

共同利用システム(現在のNACSIS-CAT/ILL)の維持のために、今後、利用機関からのコスト負担が必要となるのでしょうか。

国内外の情勢に先んじて、教育・研究DXの推進を目指す国立情報学研究所において、印刷体を中心とした目録所在情報サービス(NACSIS-CAT/ILL)の継続は簡単な状況にありません。サービス継続のためには、本委員会で検討している電子リソースも含めた幅広い学術情報への対応や、新たなサービスの開発、大学図書館等からの必要性による裏付けが不可欠となっています。

NII学術基盤オープンフォーラムで提案したコミュニティは、国立情報学研究所が構築・運用する「共同利用システム (*)」(「新NACSIS-CAT/ILL」および「電子リソースデータ共有サービス」)と各図書館が運用する「図書館システム」を「図書館システム・ネットワーク」として一体的に捉え、これを協働して維持・発展させるための一つの方策です。「共同利用システム」の利用にあたっては、これまでのNACSIS-CAT/ILLと同様、参加機関によるコスト負担を予定していませんが、これを維持・発展させるためのコミュニティ活動にご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

「新NACSIS-CAT/ILL」について

「新NACSIS-CAT/ILL」(2023年冬に運用開始予定)への切り替え時に、システムが停止する予定はありますか。

今回のシステム移行は、NACSIS-CAT/ILLのサービス開始以来初めて、内部のデータ構造の変更を伴うものとなります。保有するすべてのデータ(書誌1,200万件、所蔵1.4億件、典拠1,800万件等)の移行を確実に実施するため、移行期間は現在のところ2週間程度を見込んでいます。詳細は、決まり次第「新NACSIS-CAT/ILL」ページにてお知らせいたします。

「新NACSIS-CAT/ILL」が準拠する目録規則は、変更されますか。 変更される場合、コーディングマニュアルの修正は予定されていますか。

2023年冬のシステム更新時には、現行通り、日本目録規則1987年版、英米目録規則第2版を維持します。

なお、今後、システムワークフロー検討作業部会では日本目録規則2018年版(NCR2018)への対応を検討する予定です。変更を行う場合は、全参加機関に対して十分な期間を設けてアナウンスするとともに、コーディングマニュアルも修正します。

「新NACSIS-CAT/ILL」では、書誌フォーマットとしてMARC21もサポートされるのでしょうか。

2023年冬の運用開始を目指している「新NACSIS-CAT/ILL」では、内部で管理されるメタデータはMARC21とも互換性があるものとなります。MARC21は、数多くの国レベルの図書館やコンソーシアムで採用され、また海外の多くの出版社のメタデータ提供フォーマットとして利用されるなど、事実上の国際標準として広く利用されています。新NACSIS-CAT/ILLでは、これと互換性をもたせることによって、国際的に流通するメタデータとのデータ交換を容易にすることが期待できます。

一方、各図書館からの接続は、従来の形式(CATP)で動作するものを想定しています。CATPは維持されますので、参加機関ごとの書誌フォーマット並存は生じない見込みです。

将来的に、MARC21などCATP以外の形式でデータ登録に対応する際は、全参加機関に対し十分な期間を設けてアナウンスを行います。

「電子リソースデータ共有サービス」について

「電子リソースデータ共有サービス」の提供するデータは、既存の国内の図書館システムへどのように適用できるでしょうか。

「電子リソースデータ共有サービス」(「ERDB-JP」及び「電子リソース契約データ共有サービス」)の基本的なサービスは、タイトルリストやライセンス情報など、これまでWordやPDFなど様々な様式で提供されていた情報を、同一の「データ」形式として提供することです。同一のデータ形式で提供することで、各図書館で利用する360、EBSCO、SFX等のナレッジベース製品や国内の図書館システムにおいて、OPACへの表示や、電子リソース管理に有効に活用することができると考えています。

「電子リソース契約データ共有サービス」でダウンロードできるデータの仕様は、いつごろ公開される予定でしょうか。

「電子リソース契約データ共有サービス」でダウンロードできるデータ形式は、本委員会が実施する「JUSTICE提案書情報のデータ共有に関する実証実験」において検討を行ってきました。この内容は、2022年春の運用開始に向けて情報を整え、順次公開して行きたいと考えています。

現在、リンクリゾルバを契約していますが、「電子リソースデータ共有サービス」を利用すれば、必要なくなるのでしょうか。

「共同利用システム」における「電子リソースデータ共有サービス」は、各図書館において個別に利用するシステムを提供するものではなく、JUSTICEに提出された電子リソース製品のうち、利用条件(ライセンス)やタイトルリスト等、共通性の高いデータを蓄積し、各図書館とデータを共有するためのものです。

なお、本委員会では、ローカル図書館システムの「共同調達・共同運用」の検討も行っております。今後「共同調達・共同運用」の対象として、リンクリゾルバ機能を備えた図書館サービスプラットフォームについても検討していきたいと考えています。

メタデータの高度化について

『これからの学術情報システムの在り方について(2019) 』にメタデータの高度化として示されたRDAや日本目録規則2018年版 (NCR2018)、BIBFRAME形式への対応の際、目録データにFRBRの考え方が反映されたデータとなることが求められるように思います。一方、システムワークフロー検討作業部会では、openBDとの連携についても検討されていますが、openBDで扱うメタデータもFRBR化することになるのでしょうか。

FRBRの考え方が重要なのはご指摘のとおりだと思います。ただ、openBDのような、出版流通系のデータをFRBR化するのは難しいように思います。これを解決するために、出版社との話し合いを繰り返すことで高品質なデータを目指していきたいと考えています。こういった高品質かつ国外の仕様に合わせたデータが流通することは、海外における日本の学術情報の視認性向上につながると考えています。

デジタルアーカイブ対応について

これからの学術情報システム構築検討委員会で整備を進めている「図書館システム・ネットワーク」では、デジタルアーカイブを扱う予定があるでしょうか。また、デジタルアーカイブと機関リポジトリとの棲み分けについて、何か検討されていますか。

2021年6月現在、2022年度にサービス開始予定の「共同利用システム」(「新NACSIS-CAT/ILL」および「電子リソースデータ共有サービス」)には、デジタルアーカイブ機能は含まれません。しかし、将来の「共同利用システム」の機能として、各大学図書館のデジタルアーカイブのデータを集約するといった機能を持たせることができないか、検討を進めております。

また、現在検討を行っているローカル図書館システムの「共同調達・共同運用」において、デジタルアーカイブ機能を有するローカル図書館システムが検討対象になれば、当該機能を利用できる可能性が広がると考えます。

なお、機関リポジトリとの棲み分けは、現段階で明確な基準を有していませんが、メタデータ流通の観点等を踏まえて、JPCOARや国立国会図書館等の関係諸団体と調整、整理したいと考えています。

共同調達・共同運用について

「システムの共同調達・共同運用」というのは、NIIが導入するOCLC社製CBS等をローカル図書館システムとして共同利用するものでしょうか。

2021年2月にNIIでの導入が決定したOCLC社製CBSおよびEx Libris社製Almaは、現行のNACSIS-CAT/ILLの後継となる「共同利用システム」です。 一方「システムの共同調達・共同運用」は、この「共同利用システム」とは別に、各参加機関や、共通の目的を有する参加機関のグループが、それぞれ最適なローカル図書館システムを選択し、共同調達・共同運用を行うことを想定しています。

ローカル図書館システムの「共同調達・共同運用」を行う意義はあるのでしょうか。

2021年3月に公開した「図書館システムに関するアンケート集計報告」の「3-4-1 共同体の活動のうち、各機関の課題解決において期待するもの」では、図書館システムの共同調達・運⽤が3割程度に留まっておりますが、同アンケートの「3-5-1 「これから委員会」に対しての要望(自由記述)」においては、複数機関から共同調達の実現を期待しているとの記載をいただきました。ローカル図書館システムの「共同調達・共同運用」は全機関で行うものではなく、必要な機関同士が集まって行うことを想定していますので、対象機関にとって意義のあるかたちを検討できればと考えます。

コミュニティについて

JPCOARやJUSTICEでは、事務局員の確保や多様な参加機関からの意見集約といった課題を抱えているように感じますが、目録所在情報サービス(NACSIS-CAT/ILL)も、同様のコミュニティモデルで運用されることになるのでしょうか。

JUSTICEやJPCOARでのコミュニティ運用を参考にしながらも、「大学図書館と国立情報学研究所との連携・協力推進会議」「国立大学図書館協会」「公立大学協会図書館協議会」「私立大学図書館協会」といった既存の枠組みを活用する方向性も検討します。また、利用機関や関係組織からもご意見を伺い、目録所在情報サービス(NACSIS-CAT/ILL)を含む「図書館システム・ネットワーク」の運用に適した仕組みを構築していきたいと考えています。

コミュニティに加わることによる中小規模館のメリットは何でしょうか。

図書館が単独でローカル図書館システムを調達したり、運用したりするのは、大きな課題の一つであると考えます。特に中小規模図書館では予算面、人の面でそれが顕著であると思います。そのため、中小規模図書館にとっては、ローカル図書館システムの「共同調達・共同運用」は将来的に有効な手法の一つになってくるのではないかと考えています。コミュニティに対してベンダーが提案するシステムを共同で検討してシステムの調達費用を適切なものにする、他機関の業務を知ることで効率化を図る、人材育成につながるといったメリットがあると考えます。

現在の目録所在情報サービス(NACSIS-CAT/ILL)参加館のなかには、全面業務委託や1人職場など、コミュニティに人を出すことや、システム更新さえも難しい場合があります。そのような機関のコミュニティへの参加についてはどのように考えられていますか。

コミュニティへの参加形態には様々な方法が考えられます。提供するサービスの利用、意見提出、意思決定等、機関の規模や種別に拘わらず参加いただけるよう提案していきます。担当者が少なく、システム更新が難しい状況にある機関においても、負担軽減の方策等、共有できる課題は多いと考えます。

コミュニティの賛助会員を検討されているとのことですが、具体的にどういった組織の参加を想定しているのでしょうか。また、加入の要件等はありますか。

出版社やシステムベンダー、データプロバイダー、その他学術情報に関係する組織を想定しています。その要件は今後、利用機関や関係組織と調整し、決めていくことを想定しています。