目的
国立情報学研究所における実務を経験することにより、高度の学術情報システムの環境に対応しうる知識と技術を修得し、大学図書館や情報センター等が推進する学術情報流通基盤整備の中心的役割を担う。
到達目標
国立情報学研究所学術基盤推進部(学術基盤課、学術コンテンツ課、図書館連携・協力室)におけるOJT(On the Job Training)を通じて、学術情報流通基盤の構築に向けての企画・立案・実施等の手法と、対応する知識と技術を修得する。また、学術情報流通基盤の構築にかかる総合的かつ長期的視野を持つ。
なお、本研修修了者には、次年度以降も国立情報学研究所が主催する各種のイベント・講習会、各種ワーキンググループ、パブリックコメント等に積極的に参加することを求める。
受講対象者
大学・研究機関等において、現に図書館の運営業務、電子計算機及びネットワーク等の管理業務に従事する(予定を含む)職員。
受講の前提となる知識
学術情報流通基盤の構築、運用および管理等の概要を理解していること。
受入期間等
NIIへの通勤 | 募集時期 |
研修開始希望日 |
申込締切 | 受入期間 | 定員 |
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(1)可能 | 2023年度前期 | 7~ 9月 | 研修開始希望日3か月前まで | 個別調整(3か月~1年以内) | 若干名 |
2023年度後期 | 10~12月 | ||||
2024年度前期 | 4~ 6月 | ||||
(2)困難 | 2023年度後期 | 9~12月 | |||
2024年度前期 | 4~ 8月 |
※ 研修修了日は年度末日(3月31日)を超えないこと。
※ 受講希望者及び所属機関の希望により、テレワークによる研修も実施可能である。
※ 2024年度前期に研修開始希望の場合は、2023年度内に事前調整・申込を行う。
※「受講の申込みと受講者の決定」記載事項も留意のこと。
主な研修内容
テーマおよびカリキュラムは、国立情報学研究所、派遣機関および研修生との間で協議の上決定する。研修生は研修報告書を作成して派遣機関に報告するとともに、個別に設定した研修テーマについて、レポートを作成し発表を行う。
2023年度の研修テーマ例:
○ 学術情報ネットワークの設計・構築・運用(SINET)
・SINETの各種ネットワークサービスの理解と大学向けの普及・啓蒙活動
○ 学術認証フェデレーションの整備(学認GakuNin)
・各サービスの学内展開(課題分析、方策検討、導入)、改善・利用拡大提案
○ クラウド導入支援(学認クラウド)
・各サービスの学内展開(課題分析、方策検討、導入)、改善・利用拡大提案
○ セキュリティ(NII-SOCS等)
・政府調達に関する仕様書案フォーマット作成
・調達スケジュール管理システムの作成
・中小規模大学におけるセキュリティ対策に関しての問題点の分析
・中小規模大学が求めるセキュリティ教育に関しての調査及び提案
・倫倫姫の情報セキュリティ教室のコンテンツ更新
○ 大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)の事務に係る業務
・論文公表実態調査・契約状況調査を使った分析
・ESACの登録マニュアル作成
・OPENAPCの登録マニュアル作成・データ分析
・大学が統廃合する時の電子リソース資料の管理や契約形態の整理の方法(事例調査)
・契約状況調査と論文公表実態調査のデータを使ったRAP契約の損益分岐計算
・各国の図書館コンソーシアムの活動調査
○ 電子リソース基盤整備(ERDB等)
○ 総合目録データベースの強化(NACSIS-CAT等)
○ オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)及び機関リポジトリ・共用リポジトリの推進(IR、JAIRO Cloud、DOI等)
・JAIRO Cloudとresearchmapの連携
・JAIRO Cloud(WEKO3)総合テストの改善
・JAIRO Cloud(WEKO3)リリースノート整備(見せ方、更新フロー等)
・JAIRO Cloud(WEKO3)基本マニュアル整備方針の検討
・IRDBメタデータのオープンライセンス付与(課題整理、計画)
・JaLC DOI取り下げコンテンツに関する調査(実数、機関別状況、コンテンツの特徴)と改善案の策定
・OpenDOARの日本データの継続的なアップデート体制の提案
○ 学術情報の発見・アクセス環境の高度化(CiNii、KAKEN等)
○ 学術情報流通推進の整備(SPARC Japan等)
○ INSPIRE(高エネルギー物理学分野の文献データベース)のデータキュレーション
○ オープンサイエンス・研究データの共有・公開基盤の構築
・GakuNin RDM活用事例の追加
・GakuNin RDMツールキットの作成
・GakuNin RDM+ストレージの利用促進案
・GakuNin RDMとJAIRO Cloud連携の事例形成
・「研究データ管理支援人材に求められる標準スキル」スモール版(小規模機関向け)の策定
・大学・研究機関の研究データポリシーの策定状況調査と質的な解析
・OER(Open Educational Resources)リポジトリ掲載コンテンツの予備的な調査
・データキュレーションネットワークの構築方策の提案
・データキュレーション人材の育成方策の提案・スキルセットの作成
・NII RDCの学内展開の方策の提案
過去の研修実績:国立情報学研究所実務研修 過去の記録を参照のこと
受講の申込みと受講者の決定
受講希望者の所属機関が、推薦書を提出することで受講希望者の推薦を行う。研修開始希望日の3か月前までに、各所属機関の長から国立情報学研究所長に対して、「国立情報学研究所実務研修推薦書」を提出する。
但し、事前の協議が必要となるため、推薦書提出の1か月前までを目処に、国立情報学研究所教育研修事業担当に問い合わせを行い調整する。
推薦書書式・受入に係る手順等は、国立情報学研究所実務研修のウェブサイトを参照のこと。
経費
研修費および教材費 | 無料 |
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旅費 | 国立情報学研究所の負担 |
※ なお、就業規則の適用、給与、諸手当、住居等に関する事項については、国立情報学研究所と派遣機関との間で協議の上決定し、協定書を締結する。
修了証書
この研修において所定の課程を修了した者には、修了証書を授与する。