CLOCKSS

CLOCKSS(クロックス): デジタルコンテンツ・アーカイブプロジェクト

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電子資料の利用に関わる課題の一つに,「アクセス保障と恒久的保存」があります。
紙媒体と違って,物理的にコンテンツが図書館に蓄積されない電子資料の導入が進んだ今こそ,”利用可能な状態で資料を保存し,将来にわたって利用者へ提供し続けるという図書館本来の責務”に対して,これまで以上に図書館が積極的に関与していく必要があります。
CLOCKSSへの協力は,図書館がその責務を果たしていくという積極的な姿勢を裏付けるものです。

目次

CLOCKSSとは

CLOCKSS(Controlled Lots of Copies Keep Stuff Safe)は,全世界の研究者のためにデジタル資源(Webベースの学術文献等)の長期保存を実現することを目的とし,アーカイブとそれを運営するコミュニティを構築して,コンテンツが出版社から提供されなくなった場合にアーカイブ上のコンテンツを広く利用できるようにするなどの取り組みを行っています。

【コミュニティによる協働】
CLOCKSSの事業は出版社と図書館との協働で成り立っており,世界の学術コミュニティで責任を分担・共有するように設計されています。
運営においては,出版社と図書館が同等の権利を持っています。

【分散保存,持続可能性の確保】
アーカイブは,自然災害や政情不安などによる影響を避けるために,地理的に離れた世界12か所の「ノード」に分散して保存しています。
参加する図書館それぞれが,独自にアーカイブを構築する必要はありません。

【オープンアクセス】

構築しているアーカイブは「ダーク・アーカイブ」と呼ばれるもので,通常はそこに保存されているコンテンツへのアクセスはできません。
しかし,出版社から何等かの理由(出版社によるデータの保持自体が困難になった場合など)で提供されなくなったコンテンツがあれば,それを永久に利用できるようにクリエイティブコモンズライセンスを付与し,インターネットにアクセス可能な全ての研究者へ無償で公開しています。

  • 現在公開されているコンテンツ(Triggerd Content)はこちら


コミュニティにおける日本の関与

【アジアにおける保存の担い手】
国立情報学研究所(NII)がアジアにおけるアーカイブの「ノード」の一つになっています。
2010年度にCLOCKSS Boxと呼ばれるアーカイブシステムを構築し,コンテンツの保存を行っています。

【理事会への参画】
理事会(Board of directors)メンバーとして国立情報学研究所(NII)の武田英明教授が参加し,運営方針等に関する協議・採決に加わっています。

【大学図書館の参加】
世界各地の大学図書館・学術機関と同じく,日本の大学図書館もCLOCKSSの運営に協力しています。
参加図書館・機関は,諮問委員会(Advisory Council)への議席を有しており,理事会に対する助言を行うことができます。

  • 日本の参加機関の一覧は こちら(265.85 KB) (pdf) (2023年4月19日現在)

国内の取り組み

【国立情報学研究所(NII)の支援】
国立情報学研究所(NII)における電子アーカイブ事業の一環として,日本での実務レベルの窓口を担い,日本の参加機関とCLOCKSSとの仲立ちを行っています。
また,SPARC Japan事業を通じ,日本の学会出版へCLOCKSSへの参加を促すアドボカシー活動を行っています。

【大学図書館コンソーシアムの協力】
大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)は,CLOCKSSの理念と活動を日本に広めるためのアドボカシー活動を行っています。
また,コンソーシアムとして協議・交渉を行う相手である出版社やベンダーへ,CLOCKSSへの参加を促しています。

CLOCKSS参加の意味

(1) 協賛金(=会費)により,CLOCKSSの活動をサポート
(2) 諮問委員会メンバーとして,CLOCKSSの活動に参画

それにより,電子資料の恒久的保存において,現在/将来の利用者,及び図書館にとって望ましい仕組み・手法を実現し,学術コミュニティへ貢献することができます。

◆ 参加図書館の募集
CLOCKSSでは,随時協力してくださる図書館の参加を募集しています。
参加期間は当該年の1月1日から12月31日です。
参加申し込み,お問い合わせは,以下へご連絡ください。

国立情報学研究所 学術基盤推進部 図書館連携・協力室
CLOCKSS担当 clockss at nii.ac.jp

関連サイト・参考資料