第4回 SPARC Japan セミナー2018

「人文社会系分野におけるオープンサイエンス ~その課題解決に向けて~」

2018年(平成30年度)

SPARC Japanセミナー年間テーマ 「オープンサイエンスの定着に向けて」

 日時 2019年1月29日(火) 13:30-17:00 PDF版(854.21 KB)
場所 国立情報学研究所  19階 1901-1903会議室

 

イベントは終了しました。
多数のご参加,アンケートご協力ありがとうございました。

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アウトライン

【概要】

  SPARC Japanでは2013年に「人社系オープンアクセスの現在」を,2015年に「学術情報のあり方‐人社系の研究評価を中心に‐」をテーマとするセミナーを開催し,人文系・社会科学系分野(以下,人社系)と他分野の状況の違いや課題を確認してきた。数年が経った今,人社系のオープン化は進展しているものの,解決すべき課題も多い状況だと言える。

  国内でも人社系のジャーナル,データ等のオープン化につながる動きが進んできた。日本学術振興会では2018年から「人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進事業」が実施され,特に社会科学における取り組みが期待されている。情報・システム研究機構は「データサイエンス共同利用基盤施設」を設置,人社系においては「社会データ構造化センター」および「人文学オープンデータ共同利用センター」がデータ駆動型研究を促進するための支援を開始している。これまでも言語学や社会調査などで人社系データの整備が精力的に進められてきたが,一層の基盤整備が期待される状況である。

  一方で,2013年のSPARC Japanセミナーで指摘された人社系の「学問固有,研究者固有のニーズに応じた」オープン化は未だ明確ではない。人社系ではジャーナルと同等,またはそれ以上にモノグラフが重要である。研究成果は機関リポジトリへの搭載も進んでいるが,通常の商業出版で公開されることも多く,必ずしもオープンな動きと相性は良くない。また研究成果の多くが,大手総合学術雑誌ではカバーされず,紀要や個別の学会誌で発信される。J-Stageや機関リポジトリでの公開が増えているものの,学会等の役割やオープン化の担い方を問い直される状況にもある。

  人社系におけるオープンサイエンスの定着に向けては,あらためて分野の置かれている状況を具体的に確認し,課題を共有する必要がある。本セミナーでは,データインフラの構築,モノグラフのオープン化,紀要のデジタル化という具体的な実践事例を取り上げ,解説を交えながら最新の情報を共有しつつ議論を行う。

【参加対象者】

図書館員,研究者,URA,学術出版職にある方々

プログラム

※ 動画中継あり

司会: 鈴木 親彦 (国立情報学研究所 / データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター)

時間 内容 講師 発表資料 ビデオ映像 ドキュメント
13:30-13:35 開会挨拶/概要説明

鈴木 親彦

(国立情報学研究所 / データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター)

 

YouTube

ドキュメント

13:35-14:15

人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進事業の取組について

[講演要旨]

前田 幸男

(日本学術振興会 人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進センター / 東京大学大学院情報学環)

発表資料

この作品は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

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ドキュメント

14:15-14:20 休憩
14:20-15:00

日本の学術書をオープンアクセスにするために

[講演要旨]

天野 絵里子

(京都大学 学術研究支援室)

発表資料

この作品は クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

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ドキュメント

15:00-15:40

地域研究分野における学術雑誌のデジタル化とオープン化の現在

[講演要旨]

設楽 成実

(京都大学 東南アジア地域研究研究所)

発表資料

 

この作品は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

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ドキュメント

15:40-16:00 休憩
16:00-16:55 パネルディスカッション

【モデレーター】

鈴木 親彦

(国立情報学研究所 / データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター) 

【パネリスト】

前田 幸男

(日本学術振興会 人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進センター / 東京大学大学院情報学環)

天野 絵里子

(京都大学 学術研究支援室)

設楽 成実

(京都大学 東南アジア地域研究研究所)

中原 由美子

(筑波大学 学術情報部)

中原氏資料

この作品は クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

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ドキュメント

16:55-17:00 閉会挨拶

江川 和子

(国立情報学研究所 学術基盤推進部 次長 / SPARC Japan運営委員会 委員)

 

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参加費

無料

参加申込

会場定員に達しましたため,受付は終了いたしました。多数のお申込み誠にありがとうございました。
今回ご参加いただけなかった方は,恐縮ですが終了後に当サイトで公開する資料等をご参照ください。

※申込後,数日経っても返信が届かない場合や,キャンセルをご希望の場合は下記へお問い合わせください。
※ご連絡いただいた個人情報は,国立情報学研究所主催イベント等のご案内と開催変更等の緊急連絡に使用いたしますのでご了承ください。

申込期限: 2019年1月25日(金)

定員: 60名

  • 動画中継を行う予定です。詳細は当日までに,Webサイトにてお知らせします。なお会場の通信環境によっては,中継中断の可能性もございますのでご了承ください。
  • 動画中継をご利用の場合はお申し込みの必要はございません。
  • 会場の都合により,申込期限より前に受付を締め切る場合がございますのでご了承ください。
  • 締め切り後に参加ご希望の方は,恐縮ですが当日の動画中継をご利用いただくともに,終了後に当サイトで公開する資料等をご参照ください。

お問い合わせ先: 国立情報学研究所 学術基盤推進部学術コンテンツ課支援チーム SPARC担当
E-mail co_sparc_all@nii.ac.jp FAX 03-4212-2375

講師紹介

◇前田 幸男  (日本学術振興会 人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進センター / 東京大学大学院情報学環)

日本学術振興会研究員/東京大学大学院情報学環教授。東京大学法学部卒業(1993),同法学政治学研究科修士課程修了(1995)。米国ミシガン大学政治学部博士課程修了(Ph.D. in Political Science, 2001)。東京都立大学法学部/首都大学東京を経て,2006年に東京大学社会科学研究所・大学院情報学環着任。2016年より同教授。主な研究テーマは世論調査と投票行動。大学院生の頃から社会調査データの保存と共有に関連した研究にも取り組んできた。

 

◇天野 絵里子  (京都大学 学術研究支援室)

京都大学学術研究支援室 リサーチ・アドミニストレーター(URA) 1998年より京都大学附属図書館,九州大学附属図書館等で図書館職員として参考調査,学修支援,リポジトリなどの業務を担当。2014年より現職。大阪大学人間科学部卒。同志社大学大学院ビジネス研究科,総合政策科学研究科博士後期課程修了。博士(技術経営)。

 

◇設楽 成実  (京都大学 東南アジア地域研究研究所)

京都大学東南アジア地域研究研究所助教。東南アジア地域研究研究所編集室にて部局の学術雑誌(『東南アジア研究』/ Southeast Asian Studies)のマネージングおよび編集,叢書シリーズ(日/英)のマネージングを担当。業務経験より大学や研究機関より刊行される学術誌のあり方に関心を持つ。京都大学人間環境学研究科修士課程修了。


◇鈴木 親彦  (国立情報学研究所 / データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター)

2018年度SPARC Japanセミナー企画ワーキングメンバー。
情報・システム研究機構データサイエンス共同利用基盤施設人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)および国立情報学研究所(兼務)特任研究員。美術史学・文化資源学・人文情報学を修め,東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学後,2017年より現職。研究対象は情報学の成果およびオープンデータの人文学への応用。現在は特にIIIF画像の活用に重点を置いている。
https://researchmap.jp/chsuzuki/

 

◇中原 由美子  (筑波大学 学術情報部)

筑波大学学術情報部情報企画課リポジトリ担当係員。2016年より現職。JPCOAR作業部会員(SCPJ検討タスクフォース),2018年度SPARC Japanセミナー企画ワーキングメンバー。

講演要旨


◆人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進事業の取組について

   (前田 幸男)

2018年4月より日本学術振興会は人文学・社会科学データの保存と共有を推進するための活動を行ってきた。本事業の目的は今まで蓄積されてきた社会調査・社会科学データを保存し,さらなる分析のために共有する基盤を整備することにある。また,データの利活用を促進するための環境整備もその活動の一環である。現段階までの具体的活動は,既存のデータ保存・共有活動の強化と,データの英語化・国際化の支援である。さらなる環境整備は今後の課題である。

また,それらのデータの有効な利用を促すためにも,データ利用者が効果的に研究目的に沿ったデータを発見できるようにする検索システムの構築が重要な課題である。海外の社会科学データ・アーカイブを参考にしながら準備を進めているデータカタログの計画についても紹介する。


◆日本の学術書をオープンアクセスにするために

   (天野 絵里子)

日本では日本の学術書をオープンアクセスにするために人文・社会科学の主要な研究成果である学術書(モノグラフ,単行書)のオープンアクセス(OA)について,ほとんど議論が進んでいない。海外のように,ゴールドOAや共同出資型など,OAを実現するビジネスモデルがほとんど見当たらず,電子書籍化さえ進んでいない。一方,科学技術基本法の改正の方針が打ち出され,第5期科学技術基本計画で強力に推進されてきたオープンサイエンス政策が次期にも継承されれば,人文・社会科学の研究成果のOAを後押しする流れは確実に強まる。日本で学術書のOAを進めるにはどのような取り組みが必要だろうか?本講演では,学術書の著者としての研究者,そして読者としての研究者や,出版社,印刷会社,図書館,海外の読者等,各ステークホルダーが解決策を考えるための材料を提供する。また,京都大学学術研究支援室における人文・社会科学分野の研究成果の発信に関わる支援についても紹介する。


◆地域研究分野における学術雑誌のデジタル化とオープン化の現在

   (設楽 成実)

国内の地域研究分野の学術雑誌のデジタル化とオープンアクセスの現状を報告する。デジタル化,オープンアクセスともに積極的な姿勢が確認できるが,そこには研究成果を社会へ,研究対象地域へ伝え還元したいという地域研究の使命感があると考える。自身が編集に関わる部局の学術誌がオープンアクセス出版を選択した際の議論も紹介しながら,オープンアクセスの意義や在り方,そうした出版を支えるための支援や関係部署との協働の在り方を考えてみたい。

開催報告

2019年1月29日(火)に第4回SPARC Japanセミナー2018「人文社会系分野におけるオープンサイエンス ~その課題解決に向けて~」を開催しました。
会場参加者に加えて,動画中継視聴者の皆様にもアンケートにご協力いただきましたのであわせてご報告します。

参加者数 66名

◆会場参加者アンケートから

アンケート結果 回答数:23 

※ご意見は,公開の同意をいただいたものです。


■参加目的

          業務に関連するため: 20  研究に関連するため: 4  教養: 2  その他: 2 無回答: 0

■今回の内容について

     目的達成度

          役に立つ: 17  普通: 3  期待と異なる: 1  無回答: 2

     ご意見 【所属/職種】

     【大学/図書館関係】

  • 実際に業務に携わっておられる経験からの知識,見解を知ることができた。
  • 所属や立場によって,関心や認識が異なると感じました。こうした動向について,まず大学の教職員の共通認識にすることの努力も重要だと感じました。
  • リポジトリ登録・公開について編集に関する段階から連携をとる大切さを認識しました。
  • リポジトリのあり方,人社系のOAの可能性(ジャーナル,図書など),コスト負担,ビジネスモデルの問題,様々なトピックについて改めて考える機会になりました。まだ人社系のOAはこれから,という思いが強まりました。(それだけ可能性もあるとは思いますが)
  • 直近参加したシンポジウムの中で最もディスカッションが充実していて聞きごたえがあった。
  • これまでOSというと,研究データ,生データの公開についての議論が多かったように感じ,本学の研究者からの同意は得られないだろうと考えていましたが,学術書のOA化,電子化という今回あった観点からであれば,今まで以上に積極的に取り組めそうだと思いました。
  • 日本学術振興会の取り組みをもう少し詳しく伺いたかった。図書館関係者が多い中,リポジトリコンテンツで紀要が多いことは既知のことであり,そのような発表をするのであれば,もう少し図書館からの発表は短くてもいいと思う。

     【大学/研究者】

  • 前田さんの話はよかったが,もう少し詳しい話が知りたかった。天野さんの海外の状況は知らないこともあり勉強になった。

     【企業/その他】

  • ふだん人社系ジャーナルを扱うことが少ないので,参考になりました。

     【その他/学術誌編集関係】

  • 文系に対しても本件の検討が始まっており,その状況をセミナーとして公開することについて,全く,目が覚める思いです。

     【無回答/その他】

  • 「市民に期待する」と言われても市民が自由に大学図書館を使えず,Digital Accessにも限界があるのでそれをさらに改善してほしい。

■今後,聞いてみたい内容・テーマ・講演者について

     【大学/図書館関係】

  • 教育とオープンサイエンス
  • オープンサイエンスに反対している人の講演
  • 文系研究者の生の声を聞いてみたいです。(それに対する皆様の提案や改善案が知りたいです。)(ex)入力が難しい言語(外国語,古語)のオープンデータ
  • 電子ジャーナルの今後について
  • IIIFを使ったアーカイブ構築をしている館の広がりがどこまで進んでいるのか。
  • IIIFを活用し,実際の機関同士の画像比較の様子。活用事例。

     【大学/研究者】

  • プラットフォームの技術的な知識をもっと知りたい。

     【企業/図書館関係】

  • 民間企業のオープンアクセスとの付き合い方

     【企業/その他】

  • Plan Sをどうとらえているか

     【その他/図書館関係】

  • 学術情報の流通にはオープンアクセス化が進むべき時代の趨勢,机上の議論を切り上げ,試行に取り組み,それから課題を解決していくべき。紙媒体のみに固執していては,研究成果が広まらないし,貢献度も低くなる。紙は,電子の次くらいの決断が必要。

     【その他/研究者】

  • ハンズオンでオープンサイエンスが体感できるイベントがあると,刺激があって良いかもしれません。

     【無回答/その他】

  • 海外のケースと比較

■その他,当企画に関するご意見・感想

     【大学/図書館関係】

  • 多くの方が興味のあるテーマなのでもう少し多くの方が参加できる会場にしていただいてもよいと思いました。
  • ディスカッション中の前田先生のコメントに共感を覚えました。ありがとうございました。
  • 研究者からの視点ももう少し内容に入っていてもよかったかもしれないと思った。
  • 関心のある人が非常に多いテーマだと思いました。アーカイブ化していただけるのは大変ありがたいです。

     【その他/図書館関係】

  • 人文社会系VS理工系のコラボ

     【無回答/その他】

  • 本当の意味のaccessibilityのレベルをどう高めるか。     

◆動画中継視聴者アンケートから

     アンケート結果 回答数:4 

■参加目的

          業務に関連するため: 3  研究に関連するため: 1  教養: 0  その他: 0 

■今回の内容について

     目的達成度

          役に立つ: 4  普通: 0  期待と異なる: 0

最終更新日
2020-03-17