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A.2 困った時の対処法

グローバルILLを処理していて,スムーズに処理ができない,どのように処理をすればよいのか判断に迷うような場合には,以下の対処法を参考に処理すること。

■ 困った時の対処法(依頼館業務編)

OCLC参加館に依頼をしても,状態が「新着照会」で戻ってきてしまう。

以下の場合,転送エラーとして「新着照会」になる。

  1. OCLCID(OCLC利用者ID),OCLCPWD(OCLCパスワード)が参加組織レコードに入力されていない。
  2. TYPE(複写種別)の記述の仕方が間違っている。(「電子複写」「マイクロ」以外の2バイトデータはエラー)
  3. SPVIA(送付方法)の記述の仕方が間違っている。(空白及び「速達」,「書留」以外の2バイトデータはエラー)
  4. STDNO(標準番号)の記述の仕方が間違っている。(ISSN,ISBNのみ有効)
  5. CMMNT(コメント)の記述の仕方が間違っている。
    (それぞれのデータ要素が"△/△"で区切られていない。※△は半角スペースを示す)
  6. TYPE(複写種別),SPVIA(送付方法)以外の転送対象フィールドに2バイト文字が入力されている。
    転送対象フィールドや依頼時の注意事項については(p.29-31)も参照すること。

「新着照会」のレコードを詳細表示し,[RECEIVE]を実行すると「照会」に遷移する。それぞれ,以下の対処をしたのち,[ANSWER]を実行し,レコードを再送する。(CMMNT(コメント)入力必須)

  1. 参加組織レコード中のOCLCID(OCLC利用者ID),OCLCPWD(OCLCパスワード)にIDとパスワードを入力する。
  2. TYPE(複写種別)の内容を修正する。
  3. SPVIA(送付方法)の内容を修正する。
  4. STDNO(標準番号)に以下の形式でISBN,ISSNを入力する。
    ISSN=xxxxxxxx または ISBN=xxxxxxxxxxxxx
    ISBN,ISSNが不明な場合は,書誌典拠を必ず入力する。
  5. CMMNT(コメント)の記述を修正する。
  6. 2バイト文字を1バイト文字の記述に修正する。(特にCMMNT(コメント),OSTAF(依頼館担当者等),OADRS(依頼館宛名)に間違いが多い)
    転送エラーレコードの再送については,(p.51-56)も参照すること。

[SENDBACK]を実行し,貸借資料をOCLC参加館に返却したが,いつまでたっても状態が「返却処理中」で「返却確認」にならない。

OCLC参加館に,資料の返却を確認後に,"Checked-In"処理(NACSIS-ILLの[OK]処理に該当)をしてくれるよう直接連絡(メール,FAX等)する。OCLC参加館の情報は以下のURLを参照のこと。
URL http://guides.nccjapan.org/illdd/giflist

■ 困った時の対処法(受付館業務編)

OCLC参加館から依頼があったが,いつの間にか受付レコードの状態が「CANCEL」になっていた。

OCLCのILLシステムでは,通常8日間(土曜日,日曜日,米国の休日は除く)レコード状態(ISOSTAT(ISOプロトコルレコード状態))の変化がない場合,レコードを次の候補館へ転送している。(ただしOCLCのILLシステムでは,自動転送されてもレコードが戻ってくるように,依頼先に同じシンボルを繰り返し入力することが可能である。)
依頼レコードの廃棄日(次候補館への転送日)(=8日間×シンボル繰り返し入力数)を過ぎると,状態が「未処理」(IN-PROCESS)「処理中」(IN-PROCESS)のレコードはOCLCのILLシステムで自動的にCANCELされてしまうので,毎日依頼レコードをチェックし,「未処理」(IN-PROCESS)「処理中」(IN-PROCESS)のレコードがあったら内容を確認し速やかに発送[SEND],問合せ[INQUIRE],もしくは謝絶[PARDON]するようにする。
なお,依頼レコードの廃棄日(次候補館への転送日)はCMMNT(コメント)に"EXPIRY-DATE=YYYYMMDD"の形式で記録されるので,受付処理を行う場合は,常に廃棄日を意識しておく。

[SEND]を実行し,OCLC参加館に資料を発送したが,いつまでたっても状態が「発送」のままで「到着処理中」にならない。

日米ILLの受付館業務において,[SEND]を実行し,OCLC参加館に資料を発送しても状態が「発送」のままで「到着処理中」にならないことがある。原因として,(1)MessageAPDUの受信,(2)OCLC参加館側でのRECEIVE未実行,(3)EXPIRY-DATE後の[SEND]処理が考えられる。

(1) MessageAPDUの受信
     [SEND]コマンドを発行すると,OCLC側にShippedAPDUが送信されるが,OCLCのILLシステムではShippedAPDUを受信してから一定期間資料が届かない場合,"Not Received"というMessageAPDUを送信する機能がある。MessageAPDUを受信するとNACSIS-ILL側の履歴に記録されるので(※1),MessageAPDUを受信して,予想される到着日を過ぎても到着処理中に遷移しない場合は,資料が届いているかどうかOCLC参加館に確認をする。
 資料が到着していない場合の対応については,当事者間で協議することになる。協議等で困った場合は,日米ILL実務担当者メーリングリスト(E-mail:ill-iso-oclc@nii.ac.jp),Global ILL Framework (GIF) プロジェクト・チーム(E-mail:illglobal@mail.janul.jp ※2014年1月メールアドレス変更)などへ相談する。
 

(2) OCLC参加館側でのRECEIVE未実行
     [SEND]コマンド発行後,全く履歴の更新がない場合,資料が到着しているか,RECEIVE処理が行われているかをOCLC参加館に確認する。連絡が取れない等で困った場合は,日米ILL実務担当者メーリングリスト(E-mail:ill-iso-oclc@nii.ac.jp),Global ILL Framework (GIF) プロジェクト・チーム(E-mail:illglobal@mail.janul.jp ※2014年1月メールアドレス変更)などへ相談する。
 

(3) EXPIRY-DATE後の[SEND]処理
     OCLCのILLシステムでは,EXPIRY-DATEまでに[SEND]処理を行わなかった場合,レコードは次の候補館へ自動的に転送される。次の候補館への転送後に[SEND]コマンドを発行し,ShippedAPDUが送信されてもOCLC側ではエラーとなる。エラーとなった場合,NACSIS-ILLの履歴にも記録される(※2)。当該レコードについては,これ以上の状態遷移は行われず,また参加館からも操作ができないため,NACSIS-ILL担当(E-mail:illadm@nii.ac.jp)まで連絡する。
 依頼レコードの廃棄日(次候補館への転送日)はCMMNT(コメント)に"EXPIRY-DATE=YYYYMMDD"の形式で記録されるので,受付処理を行う場合は,常に廃棄日を意識しておく。
 すでに資料を発送していた場合の対応については,当事者間で協議することになる。協議等で困った場合は日米ILL実務担当者メーリングリスト(E-mail:ill-iso-oclc@nii.ac.jp),Global ILL Framework (GIF) プロジェクト・チーム(E-mail:illglobal@mail.janul.jp ※2014年1月メールアドレス変更)などへ相談する。
 

※1 NACSIS-ILL上でのMessageAPDU受信履歴の記録例
SENDCMND = APDU=Message
SENDCMNT = NOTE=Not Received

※2 NACSIS-ILL上のエラー受信履歴の記録例
SENDCMND = APDU=Status-Or-Error-Report
SENDCMNT = ERROR=ISO 10161 Shipped apdu / 1 / 3/ NOT
=Unable to locate request in database

■ 困った時の対処法(共通)

履歴が50以上になったため処理ができない。

該レコードはそれ以上処理ができないため,どの状態にあるレコードでも,国立情報学研究所で最終状態「確認」「返却確認」「CANCEL」に移行する。依頼を続けたい場合はレコードを複製して使用する。

(1) OCLC参加館又はKERIS参加館と連絡を取り上記のどの状態に移行するか決定する。

(2) 国立情報学研究所 NACSIS-ILL担当へ,FAX又はE-mailで以下の事項を伝える。

     連絡先:Fax 03-4212-2375
           E-mail illadm@nii.ac.jp
Subject:履歴が50以上になったレコードについて

(3) 国立情報学研究所 NACSIS-ILL担当で状態遷移を行う。


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