書誌ファイルは,参加組織の共有ファイルであり,資料の書誌情報を管理するためのものである。
書誌ファイルには,図書書誌ファイル,雑誌書誌ファイルがある。これら二つのファイルには,それぞれ,本基準2.2.1によって区分される資料の書誌情報を収録する。
本基準において図書とは,いわゆる図書及びパンフレット等の印刷資料には限定せず,さまざまな資料形態の単行資料全てのことをいう。また,逐次刊行物とは,資料形態の種別にかかわらず,終期を予定せずに逐次刊行される資料全てのことをいう。
すなわち,両者の区別は,対象となる資料の刊行方式にのみかかわる。なお,本基準においては,逐次刊行物を雑誌とも呼ぶ。
モノグラフシリーズ等,両者の境界領域の資料は,双方のファイルにレコードを作成することが望ましい。すなわち,図書ファイルに一つ一つのモノグラフのレコードを,また,雑誌ファイルにモノグラフシリーズ全体のレコードを作成する。
ただし,境界領域の資料について,参加組織が一方のレコードのみを作成する場合は,以下の基準によることができる。
モノグラフシリーズ,刊行頻度の極度に低い逐次刊行物,差し替えを行うルーズリーフ出版物,等
年報(モノグラフシリーズを除く),年鑑,要覧,Advanceもの,等
境界領域の資料の個々の巻号に「固有のタイトル」が存在する場合,図書書誌ファイルにおいては,個々の巻号の単位がレコード作成単位となる。
一方,雑誌書誌ファイルにおいては,レコード作成単位は逐次刊行物書誌単位であり,個々の巻号の情報は記録されない可能性が高い。
したがって,個々の巻号の単位の書誌情報の記録・検索を保証するためには,図書扱いが望ましいことになる。
逆に,個々の巻号に固有のタイトルが存在しない場合,図書ファイルにおいては,個々の巻号の所蔵状況の検索は困難である。従って,所蔵情報の記録・検索を保証するためには,雑誌扱いが妥当である。
書誌レコードは,資料についての書誌的記録である。
書誌的記録とは,資料のタイトル,著者,版等の記録であり,これによって,他の資料との区別や,同一であることの確認を行うためのものである。
ただし,図書書誌ファイルにおいては,一つの資料に対して,最上位の書誌単位のレコードと最下位の書誌単位のレコードのみを作成する。
また,雑誌書誌ファイルにおいては,書誌単位毎ではなく,逐次刊行物書誌単位のレコードのみを作成する。
また,雑誌書誌レコードは,タイトル変遷関係を示すために,タイトル変遷レコードとの間にリンクを形成する。
書誌レコードは,著者標目の管理を行うために,著者名典拠レコードとの間にリンクを形成することができる。
また,図書書誌レコードは,統一タイトル標目の管理を行うために,統一書名典拠レコードとの間にリンクを形成することができる。
書誌レコードは,個々の資料の所蔵状況を示すために,所蔵レコードとの間にリンクを形成する。