目録情報の基準


[目次]
[前ページ] 8.2 著者名典拠レコード
[次ページ] 8.4 から見よ参照

8.3 統一標目形

 統一標目形(HDNG)は,その著者名典拠レコードの記録対象を示す名称である。

 統一標目形には,書誌レコードの著者標目の形及び表記の統一と,他の標目との区別に必要な事項が含まれる。

8.3.1 統一標目形の構成

 統一標目形は,名称及び付記事項からなる。

 また,日本名の場合は名称のヨミ,中国名の場合は名称のヨミ及び名称のその他のヨミが付加される。

8.3.2 統一標目形の形

解説(目録規則適用基準)

 目録規則の適用は,以下の基準による。基準に基づいて選択した目録規則によって作成した著者名典拠レコードに対しては,レコード修正時にも,適用する目録規則を変更しないことを原則とする。

・個人名
著者がその各著作の原版で用いている主な言語が日本語,中国語又は韓国・朝鮮語である場合は,NCRを適用する。その他の言語の場合は,AACR2を適用する。
主な言語が判明しない場合は,初出(総合目録データベースにおいて)の著作の言語によって決定する。
・団体名,会議名
著者が単一の公用語を用いている場合は,その言語が日本語,中国語又は韓国・朝鮮語であればNCRを適用する。その他の言語であればAACR2を適用する。
公用語が単一であるか否か不明の場合は,主たる言語と判断できるものがあればその言語が単一の公用語であるとみなす。
公用語が複数の場合は,そのうちの1つに日本語があればNCRを,そうでなければAACR2を適用する。
公用語が不明の場合は,初出(総合目録データベースにおいて)の著作の言語によって決定する。
・ハングルの扱い
ハングルで識別される著者名は,漢字に置き換えてNCRを適用する。ただし,置き換えが不可能な場合は,AACR2を適用する。また,名称中に漢字への置き換えが適当でない語がある場合は,そのハングル読みが知られていれば仮名に置き換える。

8.3.3 他の目録規則による標目の形

 統一標目形の形を決定する際に適用しなかった目録規則(NCRの適用時にはAACR2,AACR2の適用時にはNCR)に基づく標目の形が必要な場合は,著者名典拠レコードのSFフィールド(から見よ参照)にその標目の形を記録する。

 このとき,他の「から見よ参照」と区別するために,データの先頭に統一標目形フラグ「*」を記録する。

解説(統一標目形とカード目録等における和書系・洋書系標目の関係)

 目録システムにおける著者名典拠レコードは,和洋の区別をせず,1著者1レコードを原則としている。

 また,統一標目形については,日本名,中国名は原則としてNCR,それ以外の外国名はAACR2に基づいて作成する。

 一方,各参加組織では,和資料はNCR,洋資料はAACR2に基づいて標目を作成し,和洋別のカード目録体系等を維持しているところがある。

 このため,目録システムにおける統一標目形と,各参加組織で必要とする標目が一致しない可能性が考えられる。例えば,和図書目録において外国の団体,国際機関等を日本語形としている参加組織が存在しうる。

 上記参加組織においては,NCRに従って「アメリカ図書館協会」や「国際連合」という標目の形を採用することが予想されるが,本基準では,これらの統一標目形はAACR2に従って「American Library Association」や「United Nations」とせざるをえない。

 このように,適用する目録規則によって標目の形が異なる場合は,統一標目形の形を決定する際に適用しなかった目録規則に基づく標目の形の前に統一標目形フラグ「*」を付してSFフィールドに記録することにより,各参加組織の必要とする標目の形でカード出力を行う,等の設定が可能である。

8.3.4 統一標目形の表記

解説(中国語,韓国・朝鮮語の名称のヨミ)

 中国語,韓国・朝鮮語で表記される名称については,NCRに基づきヨミを付ける場合,以下の基準に従う。

1.母国語読みが仮名で表記されていなくても,母国語読みがよく知られており,その発音を基にした日本語の仮名表記が読みとして参考資料等で確立している場合は,当該仮名表記をヨミとする。
2.ハングルを漢字に置き換える場合は,1.に準じてヨミを決定する。
(例)全斗煥 〔母国語読みは表示されていない〕 チョン, ドゥホアン
趙容弼 〔조용필を漢字に置き換えている〕 チョー, ヨンピル
3.中国語で表記される名称については,当該ピンイン表記を「その他のヨミ」として記録することができる。
(例)林, 志浩||リン, シコウ||lin, zhi hao (lin, zhi haoがその他のヨミ)


[ページの先頭]